⒈熱中症で失われるのは水分とミネラル

熱中症

体重の半分以上を占めるのが水分です。
その中には、体内のphや浸透圧の調整に欠くことができない微量の栄養素「ミネラル」が「イオン」のかたちで存在しています。

熱中症による多量の発汗のあとで、もし水分だけを補給してミネラルを補わなければ、神経や筋肉の機能の調整ができなくなって、手足のしびれやけいれんが起き、血液も大きく酸性に傾いて、血管内と細胞の内外にある水分量のバランスもくずれて、全身の不具合が起きます。

熱中症は、特定の部分や臓器だけに不具合を生じのではなく全身を害するので、表立った症状が消えても元通りの健康な体に戻るには長ければ数年かかります。
とにかく用心して予防するに限ります。

⒉夏は野菜をたくさん食べよう!

夏のスイカは薬!

*汗で失われやすいミネラルの補給は、ウリ科とナス科の夏野菜で!
 とくに「夏のスイカは薬」と言われるほど、水分たっぷりのスイカはミネラルの補給にもおススメです。
*オクラやモロヘイヤのねばねば成分には免疫力を上げる働きがあるので、暑さでへばった体へのいたわりを込め て、食べるといいですよ。  
*カリウムは藻類に多く含まれるので、水で戻した塩蔵ワカメを野菜サラダに加えたり、ヒジキや昆布を煮物に加えると摂取できます。
 残念なことにカリウムは水溶性で、煮たりゆでたりすると多くの割合で茹で水や煮汁に溶け出してしまうことを忘れずに、多めに食べるよう にするといいようです。

⒊イオンのはたらき

夏野菜たっぷりのカレー

*ナトリウムイオン
 ナトリウムには体液のバランスを正常に保つ働きがある。
 また、神経と筋肉が正常に機能するのに重要な役割を果たす。

*カリウムイオン
 細胞、神経、筋肉が正常に機能するのに不可欠。
 同じ1価の正イオンなので、体内ではナトリウムイオンと互換性があり、二つでバランスをとって働いている。
 汗で失われた塩分を補給するとき、同時にカリウムも補給するよう心がける。 
 野菜や果物、海藻類、大豆など植物性食品類がカリウムを多く含んでいる。 

*マグネシウム
 骨や歯の形成および、神経や筋肉の正常な機能に欠かせない。
 体内の様々な酵素も、マグネシウムがないと正常に機能しない。
 マグネシウムはカルシウムの代謝やカリウムの代謝にも関連する。
*リンイオン
 細胞がエネルギーをつくるのに使う物質や、細胞膜、DNA(デオキシリボ核酸)など、重要な物質の構成要素。
 骨や歯の形成にも欠かせない。
*亜鉛イオン
 200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用する。