⒈「メニエール病」と「頚性めまい」

*「めまい」の原因の特定はむずかしく、少し昔はほとんどと言っていいくらい、難治性のめまい・耳鳴りの症状には、「メニエール病」の病名がつけられていました。
厚生労働省の特定疾患とされています。
しかし、いまは頚の筋肉のコリが原因ではないかとの認識が増え、「メニエール病」は存在しない、とも言われるようになっています。

*「頚性めまい(けいせいめまい)」という言葉は、もともと頚部における骨変形・骨棘形成・靭帯骨化の3つに起因する症状に限られていました。
しだいに認識が変わって、現在では頚の筋肉のコリに起因する場合も含むようになりました。
でも、「頚性」という言葉の使われ方はまだまだあいまいなようです。     
頚の筋肉が原因の場合は、「頚筋性」とか「頚筋神経性」とすると混乱を避けられる、という意見もあります。 

⒉ 「耳管開放症」と「耳管狭窄症」

耳管

難聴の原因の一つに、「耳管」の異常があります。
耳管の異常には、「耳管狭窄」と「耳管開放」の2通りがあります。
「耳管狭窄症」は、 「耳管」という鼻とノドをつなぐトンネルが、風邪のあとの耳管周囲の炎症による粘膜のむくみや副鼻腔炎・滲出性中耳炎などで細くなったりふさがったりして起こります。

「耳管開放症」は、20年くらい前から注目されるようになりました。
男女比は3:5で、特に30~40代の女性に多いといわれます。
鼓膜に異常が見られず、聴力検査でも「異常なし」と診断されるケースがあります。    
ダイエットによる急激な体重減少の後に症状が出やすい、というデータもありますが、ストレス、血流の低下、自律神経の不調などいくつかの説があります。